nottegra’s blog

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「中の下のエンジニアを脱出する仕事術」のホントのとこ

昔公開したスライドなんですが、はてブ込みで改めて読み返してみました。

中の下のエンジニアを脱出するための仕事術

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改めて見ると、良いこと言おうとして事実をかなり捻じ曲げてますね。。。最初から全てを意図してやったかのような書き方になってますが全然そんなことないです。結果論的な感じです。ごめんなさいまじで。
なかなかモヤモヤしたので、責任持って(?)補足します。

目次

「一人でゼロベースの新規開発しろと言われたら不安」で言いたかった事

f:id:nottegra:20170602224507p:plain 言いたかったことは、「自分の中に確固たる技術ベースが無い」ってことです。

組織の中で開発してると新規開発とか継続開発にしろ、組織の「技術ベース」みたいなものを引き継ぐのかなと思います。 技術ベースは、アーキテクチャからコードライブラリ、コーディング規約とかぐらいまでが入っているイメージです。
で、みんな必ず既存の技術ベースの恩恵を受けて開発してると思うんですが、普段はそういう意識って無いんですよね。
用意されている独自のBase実装を継承しなければならない理由とか、少し崩したアーキテクチャを採用してる理由とか。困らない限りあんまり気にすることは無いのかなと。
なので、SES契約変更とか転職でガラッと開発現場が変わって、まったく新しい「技術ベース」に触れた時に違和感を感じたとしても、それが何故なのか言語化出来ないんです。要は自分のモノになってない状態。

僕の場合は、転職した先が新設部署で技術ベースが無かったので、新規開発をゼロベースで頑張らないといけなかったんです。 前職の技術ベースをなぞる事でなんとかしようと思ったのですが、少し深い部分に差し掛かった時に当然行き詰まりました。そこからしばらくは全然開発が進まない状況に。
新規開発をゼロベースでやった結果、自分の中で技術ベースが出来て無い事を痛感したので、一人で~不安 みたいな表現になりました。

どうにかするには意識的に自分と組織の「技術ベース」について考えるよう気がつけばいいと思うのですが、まぁその辺出来てないのが中の下ってことかなと。

「アウトプット」が指すもの

f:id:nottegra:20170603002124p:plain アウトプットは、100%業務に関係するものを指しています。ドキュメント、ソースコード、レビューとかですね。ブログとかは1ミリも書いてませんし、個人開発とかもしてません。

技術って縛りがあるほうが発展すると思ってます。仕事なんて縛りだらけだし、アウトプットの量も当然多いと思うので、趣味でやるより仕事で頑張るほうが良いと思います。
あと、自分の「技術ベース」を作り上げるには、一人じゃなくて壁打ちできるチームメンバーがいる仕事のほうが手っ取り早いと思います。

「自分は難易度高い厳選したタスクを担当し、その他タスクは他に振ります」の実際

f:id:nottegra:20170603002045p:plain 実際に担当したのは、黎明期のPush通知機能実装とか、リリース直前にコードを変えずにキャッシュ機構を後から実装するとか、開始前に全然工数が見積もれてないようなヤバイタスクが多かったです。
当時開発タスク全般を管理する立場だったのもあり、チームにヤバイ雰囲気が流れる前に「俺がやっとくから気にしないでいいよー」で隠してたのに近かったような気がします。
で、結果的に難易度高い厳選したタスクを担当して、その他のタスクは他のみんなにやってもらったと。

使っているフレームワークのドキュメントやOSS界隈を見つつ、今後の負債にならない作りにしなければならないので、闇雲なアウトプットは減って自然とインプットの量が増えるような状態だったかなと思います。
あと、大体ヤバイ部分は運用でトラブルを起こす可能性が高いので、自分がボトルネックにならないようにチームメンバーへの共有やドキュメントを厚めにしていました。 結果的に自分が作った新しい「技術ベース」の意図を説明する機会になっていたので、壁打ち効果みたいなものはあったのかなとは思います。

開発チームとしてもこなれて来た頃、一投入魂な開発が必要な時期と、数をこなして作ったものを確かめる時期は交互に必要なのがわかって来ました。
数こなしたいときもあるし、みんなのスキルアップも兼ねて交代でヤバイタスクを回すようにしてみたりもしましたが、 人によって良かったり悪かったりだったので、ブコメにもあるようにいつでも誰にでも有効というわけではないと思います。
ただ、自分の中の「技術ベース」を固めるためには、一投入魂な開発をする経験は重要だとは思ってたので、中の下脱出メソッドとして据えました。
全然戦略的に意識して動いたわけではないです(笑

「中の下のエンジニア」の名付け親

最後ですが、「中の下のエンジニア」というのは昔SESで常駐してた先の師匠(強い)から言われた言葉です。 契約形態関係なくエンジニアとして鍛えてもらったおかげで現場の中でもそれなりのポジションになって、 「実力付いてきたなー」とか天狗になってた矢先浴びせられました。 f:id:nottegra:20170602224507p:plain 赤字の部分も大体、その人から浴びせられた言葉です。
長い間ぼくの中でややトラウマ気味に残っていたので「中の下は抜けたったど!」みたいなドヤを見せつける感じで使いましたが、たぶん師匠は言ったことを覚えてないと思います。

おわり f:id:nottegra:20170603005055p:plain